一世紀以上にわたり日本の出版を支えてきた書体「秀英体」。築地体と並び「明朝活字の二大潮流」として、その後の和文書体に大きな影響を与えてきた。本書は、秀英体の開発元である大日本印刷が、2005年末から丸7年を費やし10書体のべ12万文字に及んだリニューアルプロジェクト「平成の大改刻」について、商品企画からデザイン、フォントエンジニアリング、ユーザーであるブックデザイナーのインタビューまであまさず紹介。デジタル化する印刷環境や電子書籍の普及など、文字をめぐる環境変化に対し、秀英体はどのようなアプローチを行ったか。読者からは見えない、書体づくりのすべてがここに。デザインや出版、タイポグラフィに興味のある方はもちろん、電子書籍やWEB などでフォントを扱うエンジニアも必読の一冊。